本年度も岡山大学の喜多雅一教授にお世話になり,事前研修を実施しました。
1日目のタイトルは,“Why is a water flow bent by a high voltage electrostatic field (like a
rubbed balloon)?”でした。
水道からしたたり落ちる水の流れに帯電体を近づけると曲がります。これは,水の分子が分極(電荷の偏りが生じている)
しているからです。ベンゼン,ヘキサン,エタノールについてもビュレットから流れ落ちる液体に帯電体を近づけて,
曲がるかどうかをそれぞれ確認しました。
その後,ヨウ素をベンゼンに溶かした溶液,ヨウ素をヘキサンに溶かした溶液についても同じ実験をして確認しました。
ヨウ素をベンゼンに溶かした溶液は曲がりましたが,ヨウ素をヘキサンに溶かした溶液については曲がりませんでした。
これは,ベンゼンのπ軌道の電子をヨウ素に供与し,「電荷移動」が生じているからです。
2日目のタイトルは,“Let’s determine the amounts of salts (electrolytes) in vegetables.”です。
野菜(大根,人参,ねぎ,ゴボウ,ショウガ)に含まれる電解質の量を,野菜をすりつぶし,ろ過した溶液を滴定して求めました。
ビュレットからしたたり落ちる水に帯電体を近づけると,水の流れは曲がりました。 | 左はヨウ素(I2)をベンゼンに溶かした溶液で,右はヘキサンに溶かした溶液です。ベンゼンに溶かした方が曲がりました。 |
ゴボウをすりつぶしています。手前は,人参をすりつぶしたもの(オレンジ色のもの)をろ過しています。滴定して電解質の量を求めたところ,大根に圧倒的に多く含まれていることがわかりました。大根をかじると熱中症予防に効果的かもしれません。 | 最後に,お世話になりました喜多先生,ヤクブ先生,大学院生の田中さんとともに記念撮影をしました。 |