皆さん、こんにちは。短かったですが、秋休みは充実していましたか。また、皆さんの元気な顔を見れてうれしく思います。  
さて、本校では、後期の始まりと創立記念日の日が近いことから、例年、後期始業式と創立記念式を兼ねて実施しています。節目、節目に歴史を振り返りつつ、新たな学期を始めることは大切なことと思います。

本校の歴史と伝統について少しお話しいたします。
本校の歴史は、1906年(明治39年)にまでさかのぼります。県下でも有数の歴史と伝統を誇る学校です。本校の開校にあたっては、大塚香(おおつか かおる)先生、号して鉄軒先生が多大の貢献をされたことは皆さんよくご存じのことと思います。先生は我が身を犠牲にし、財産を投じ、家族の相次ぐ不幸にもめげず、本校の礎を築かれました。以来、今年で、高校は113年目、併設の中学校は13年目になりました。その間、25,000名を超える卒業生を世に送り出してきましたが、卒業生の皆さんは、本校の根幹である鉄軒精神を胸に、日本はもちろん世界の各地でご活躍されています。
大塚鉄軒先生の偉大さは、「大塚君碑」に表れています。鉄軒会館の前にある、大きな石碑です。石碑に書かれてある内容は、大塚先生の遺徳を偲ぶ内容です。

石碑について2点お話しします。
1点目は、碑額(石碑の上の部分)が犬養毅、号して木堂(岡山出身の内閣総理大臣、5・15事件の際「話せばわかる」が有名)の作です。また、撰文(文章)も木堂の作というのはめずらしく、鉄軒先生との親交の深さが偲ばれます。
2点目は、建立が、鉄軒先生没後1年の大正8年に除幕式がありました。当時は、第1次世界大戦後で、軍事上の功労を称える碑の建立はあったものの、教育者・政治家としての功績を賞賛するものは、この時代にはめずらしく、先生の活躍がいかにすばらしかったかが偲ばれます。
皆さんも、そういった思いで、「大塚君碑」をまた見てほしいと思います。校歌にもありますが、「鉄軒精神を受け継ぎて」、生徒の皆さんが、積極的にさまざまなことに取り組み、学校生活を充実させてくれるよう願っています。以上で、後期始業式、創立記念式の式辞といたします。