日時:令和3年8月28日(土)9:00~10:30
主催:岡山県県民生活部国際課
場所:第1物理教室からオンラインで参加
参加者:将来,海外への留学を目指す2年次生女子生徒2名 ,2年英語科担当教員,SSH担当教員
【概 要】
米国西海岸にある名門スタンフォード大学でMBA(経営学修士号)の取得を目指す学生Dan Richey(ダン・リッチー)さんと県内の高校6校の生徒12名がオンラインで交流を行いました。GMIX(Global Management Immersion Experience)とは,同大学の夏の4週間にわたるプログラムで,米国外の企業や政府などでの研修プログラムです。ダンさんの課題は,「岡山県への企業・オフィス誘致に向けた施策について」で,県知事への表敬,幹部職員との意見交換,企業へのインタビューを行っています。ダンさんは,ボストンにある投資会社での勤務のご経験もあり,高校生との交流会では,出身地のカンザス州や大学のあるサンフランシスコのシリコンバレーなどの様子の紹介もありました。交流会を終えた生徒は,「ネイティブのアメリカ人の話し方に触れることができてよかった。」「ネイティブの方の英語は,学校のリスニング試験の英語より聞き取るのが難しかったけど,今後の学習で必要なことに気付くことができてよかった。」との感想を述べていました。
海外への渡航が制限され,海外研修ができない状況の中,貴重な機会を与えていただきました岡山県の国際課の皆様に感謝申し上げます。


この交流会では各校生徒からの事前の質問に答えるという形式で行われました。次に具体的な交流の内容を紹介します。
【具体的な内容】
Danさんの自己紹介の後,岡山県の高校生の参加者が一人ずつ自己紹介と事前に考えていた質問を行い,Danさんからそれぞれ回答をいただきました。その後,フリーディスカッションという流れでした。参加者からの質問事項は,スタンフォード大学の教育の魅力,Danさんの故郷カンザス州の魅力,コミュニケーション能力向上の方策,経営者としての心構え,パンデミック下でのオリンピック開催,自分を律する方法,挫折の克服の仕方など様々でした。
カンザス州はバーベキュー,プロスポーツチーム(野球,アメリカンフットボール,バスケットボール等),1930年代の映画などが有名であること,スタンフォード大学は経営学や科学など有名な学部が多く学生も極めて優秀であること,外国人学生も多く自分とは異なる生活習慣や人生経験,価値観を学べるので,学校の内外問わず,できるだけ多くの人に実際に会う機会を重視していること,人はお互いに全く違っている反面,実は似ている部分,つまり普遍性があること,近隣に大企業の本社が多くあることから革新的で興味深い研究が共同で行われていることなどの学習環境が紹介されました。
フリーディスカッションでは,参加者から積極的な発言があり,Danさんの回答から多くの示唆を得ることができたようです。例えば,社会貢献をしたいなら仮説を立てそれを立証すること(行動することに十分な時間をかけること)や,勉強に集中する方法として,1~2時間勉強したら短時間の休憩を取ることやあまり興味が持てない教科から取り組んでみること,人と交渉するとき大事な点は優先事項を明確にすること,相手の背景(考え方等)を知ること,人間関係を作ること,妥協できるポイントを見いだすこと,お互いが納得できるようにすることを教えてくださいました。その他,地球温暖化を解決するためには,Danさんの考えとしてはトップダウン型の施策(対策)が有効であり,政府の動きが遅いとしても企業も社会的責任があることなどの様々な考え方を参加者が共有しました。
また,スタンフォード大学は自分を高めるためのよい環境があること,文武両道のイメージであるが,当然そのとおりの人もいればそうでない人もいること,優れた能力を持っている人があちこちにいて,「私は水泳が得意なの。」と教室で話した相手がオリンピックの水泳のメダリストだった…なんていうジョークもあるとか,楽しい話も伺いました。
最後にDanさんから本日の交流の感想と参加者である高校生へのメッセージをいただきました。「参加者の皆さんが優秀で,すでにグローバルな考え方を持っていることに驚きました。次の20年に向けて,世界では多くの人がみなさんのように社会のために何ができるか考えて行動しています。みなさんの能力,情熱を発揮できる場所(分野)を見つけて挑戦しましょう。」